北条のみどころ

縄文時代から豊かな自然に囲まれ、
それぞれの時代に様々な営み、歴史が生まれ、脈々と今に続いています。
建物や風景など様々な時代の面影が残るこの街に
是非、来て見て、歩いて、感じてください。

● 国指定重要文化財 ●

矢中の杜本館
本館書斎

● 矢中の杜 ●

“矢中の杜(旧矢中家住宅)”は、北条出身の実業家・建材研究家の矢中龍次郎氏によって建てられた、昭和初期の近代和風住宅です。約770坪の敷地に、本館居住棟・別館迎賓棟の2棟の建物と庭園があり、豪華絢爛な意匠と施主矢中龍次郎氏の実験成果が息づいています。昭和の暮らしを感じる調度品や道具の数々も見どころの一つです。平成20(2008)年から保存活用活動がはじまり、令和5(2023)年、国指定重要文化財に指定されました。
NPO法人“矢中の杜”の守り人は、主を失い永らく眠りについていた邸宅を、掃除し、少しずつ手入れをしながら、地域の文化遺産として保存活用に取り組んでいます。

● アクセス ●

矢中の杜(やなかのもり)
住所:つくば市北条94-1
ホームページ:https://www.yanakanomori.org/
<邸宅公開>
毎土曜日11:00~16:00
邸宅維持修繕協力金:500円(中学生以下無料)
*ガイドツアーは毎土曜日11:00~、14:00~の2回

● 国登録有形文化財 ●

宮本家店蔵
店蔵内部

● 宮本家住宅 ●

宮本家は昭和40年代前半(1960年代後半)まで醤油の醸造と販売をしていた商家です。屋号は「宮(みや)清(せい)」と称し、代々清(せい)兵衛(べえ)を名乗りました。現存する建物8棟すべてが江戸時代後期(1847年ころ)の建築であり、国の登録有形文化財になっています。敷地面積は2,300平方メートル(約700坪)。三方を漆喰で塗り固めた土壁を配し、一方で北側に店蔵が建っています。そのため全体として強力な防火性能を有しています。

宮本家店蔵

店蔵に入ると、いっとき江戸時代にタイムスリップすることができます。店内と外部を隔てる「揚(あげ)戸(ど)」は今でも可動するほか、元禄時代の銭函や、帳場格子、印袢纏、大正時代の米国製レジスターなど、かつての商いの様子がわかるものや、木製冷蔵庫や行燈、箱枕、手鏡なども展示しているため、当時における商家の営みや生活が実感できると人気です。

● アクセス ●

宮本家住宅
住所:つくば市北条188
ブログ:https://taka4027.exblog.jp
(たかぼんのつくば市北条古民家暮らし)

● 旧 田村呉服店 ●

田村家は筑波山、西山地区の出身です。現当主の祖父母の時代、明治期に北條に居を構え、大八車での行商を経て大正末期にいまの場所で呉服店を開業しました。2階は東西2棟からなり、大正モダンの雰囲気を漂わせていますが、東側の2階は後に増築したものです。呉服(絹織物)や太物(綿や麻の織物の総称)商として栄えました。
平成24年8月から、店蔵1階店舗部分を北条ふれあい館として使用しています。
平成27年11月、店蔵、主屋、蔵など4棟が国の登録有形文化財に登録されました。

● アクセス ●

住所:茨城県つくば市北条39

● カフェポステン ●

昭和8年に建てられた旧常陸北条郵便局です。
昭和37年まで郵便局として活用され、電話交換業務も行っていました。
北条の小規模商店に多い、間口が狭く、奥行きが長い作りになっていて、道路に面した一階前面が洋風の郵便局、一階奥と二階が和風住宅になっています。
現在は、郵便局時代の面影を残したままカフェ「ポステン」として活用され、可愛らしい外観とゆっくり流れる時間が北条に色を添えてくれています。

● アクセス ●

カフェ・ポステン
住所:つくば市北条183
tel:029-867-5565
営業時間:11:00~18:00(火曜定休)
ホームページ:https://www.cafe-posten.com/

● 北条の歴史 ●

● 歴史散歩マップ ●

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● 平沢官衙遺跡 ●

北条大池を見渡す丘の上に建つ奈良・平安時代の常陸国筑波郡の役所跡です。
発掘調査により、掘立柱建物跡が55棟、礎石建物基壇跡4基、大溝跡や柵列跡等が見つかっており、租税として集められた稲などの保管倉庫である正倉院であったと考えられています。
1980年に国の史跡となり、正倉三棟や大溝跡等が復元され、古代の雰囲気を感じることができます。
現在、芝の広場はこどもや家族の憩いの場となっており、平沢官衙遺跡から城山方向へと沈んでいく夕日がおすすめです。

● アクセス ●

住所:つくば市平沢353
tel:029-867-5841
開館時間:午前9時~午後4時30分
※遺構復元広場(歴史的建造物等復元ゾーンを除く)は常時開放しています。
閉館日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日)、祝日の翌日(土曜日及び日曜日を除く)、年末年始(12月28日から1月4日)
ホームページ:https://www.city.tsukuba.lg.jp/kankobunka/bunka/rekishi/1001640.html

多気太郎五輪塔
裏堀

● 多気太郎五輪塔 ●

つくば北条の歴史を語る上で決して外せない一人の人物がいます。
多気城主6代常陸大掾(ひたちだいじょう)、多気義幹(たけのよしもと)です。常陸北条は平安時代から鎌倉時代初期まで約250年間、多気(たけ)氏が支配していました。この多気氏は平将門を滅ぼした平貞盛の子孫であり、一時は常陸国(今の茨城県)の大半を領有するほどの権勢を誇っていました。平貞盛は桓武平氏の祖であり、平清盛もその子孫です。
6代目の多気義幹は、多気太郎(たけのたろう)と名乗り、北条の町を見下ろす「多気山(たけやま)」(地元では「城山(じょうやま)」と呼ぶ)に居城を構えました。当時、義幹によって掘られたとされる農業用水路である裏堀は今日まで流域300haの田圃をうるおし、また防火用水としても地域に多大な恩恵を与えてきました。
多気太郎はこの堀を掘ったことが鎌倉幕府に対して逆心ありとされ、源頼朝の命により建久4年(1193年)非業の最期を迎えたとされています。北条の人たちは多気太郎の恩を忘れずに、命日の7月7日には万灯会を催して霊をとむらってきました。地元では「たきたろさま」と呼ばれて親しまれる、墓と伝えられる五輪塔です。

つくば道道標
明治時代撮影

● つくば道 ●

筑波山は江戸城からみると北東の方角にあり、鬼門にあたります。かつて徳川家康は「鬼門の護り」として筑波山をあがめ、中禅寺(現在の筑波山神社)を祈願所に定めました。三代将軍家光は寛永3年(1626年)、堂社を一新する工事にとりかかりました。このとき、資材運搬路として整備されたのが「つくば道」です。後に中禅寺への参詣道となって江戸方面から多くの参詣客がこの道をたどり、筑波山に詣でることになるのです。
筑波山神社まで1里(約4km)の起点、北条仲町には高さ3mを超える「つくば道道標」が立っています。この道標は、初め正徳5年(1715年)に建立され、現在のものは寛政10年(1798年)に再建されたものです。途中、古い町並みが残る神郡(かんごおり)に入ると筑波山は正面にせまり、まもなく急坂の山道に差しかかります。中腹の石鳥居をくぐると、これより上はかつては石段が続いていましたが、昭和40年代に舗装されました。神社直下にわずかに残る石段は往時の風景を忍ばせてくれるばかりか、道中にたくさんの史跡が残されており、いにしえの余韻に浸ることができます。
つくば道は、昭和61年(1986年)、日本の道百選に選ばれました。首都圏近郊の手軽なハイキングコースとして、多くのお客様が訪れています。

● 北条の風景 ●

● つくばワイナリー ●

筑波山麓の山々をバックに広がるぶどう畑は、自然と人間の関わりを感じることができ、広々とした景色は、ゆったりとした時間を感じさせてくれます。
北条のまちを見下ろす中台とよばれる台地の上につくられたつくばワイナリーは、2012年からぶどうの栽培を開始し、2019年には醸造所も建設され、現在は栽培から醸造まで北条で行っています。
水はけのよい土地と、風通しのよい地形がワイン用ぶどうの栽培に適しているそうです。ワイナリーの広場を活用し、ピクニックやさまざまなイベントが開かれています。

● アクセス ●

つくばワイナリー
住所:北条字古城1162-8
tel:029-893-5115
営業時間:平日13:00~17:00  土日祝10:00~17:00
ホームページ:https://tsukuba-winery.kadoya-company.com/

● 北条大池 ●

大池は北条の田園をうるおす灌漑用の溜池です。江戸時代からあった大池・小池に加えて、昭和9年(1934年)に大改修が行われ、新池も作られました。その時に池の周囲には桜が植えられ、以来桜の名所として長い間多くの人たちに親しまれています。

● アクセス ●

北条大池
住所:茨城県つくば市北条1477−1

● りんりんロード ●

最近のサイクリングブームを反映して、令和元年(2019年)9月に一定の水準を満たすルートを対象としたナショナルサイクルルート制度がスタートしました。その第一弾の指定ルートとして、令和元年11月、琵琶湖を一周する「ビワイチ」、「しまなみ海道サイクリングルート」と並び、「つくば霞ヶ浦りんりんロード」が、ナショナルサイクルルートに選ばれました。
当サイクリングロードは旧筑波鉄道(常磐線の土浦駅~水戸線の岩瀬駅間)線路跡のおよそ40kmと、霞ヶ浦の湖岸道路およそ140kmを周回するサイクリング道路で、全長が180kmあります。
北条地区内のコースは、鉄道の線路跡の平坦な初級者コースとなっており春には地域の住民が植えた桜が咲き誇り、北条大池とともに桜の名所になっています。
また、近くには筑波山を望むヒルクライムコースである不動峠へのルートがあり、知る人ぞ知る自転車乗りの聖地となっているようです。

● アクセス ●

りんりんロード
ホームページ:https://www.ringringroad.com/

● 北条Googleマップ ●

筑波山麓北条を巡る、Googleマップ。
このまちを訪れる際、ご利用ください。